こばち母さん知恵袋

映像業界のすみっこで働く“おせっかい母さん”がそっと教えたいアレやコレ

確定申告ノススメ やるっきゃ無い!編

ここまで何度かに分けて、確定申告の必要性や準備のやり方を説明して来ました。

無理しない範囲で出来ることをコツコツと、というお話も書かせていただきました。

 

コツコツやっていたあなた、偉い!!!

さぁ、ついに本番です!

 

改めてお尋ねしますが

帳簿はつけましたか?

書類に記入するには帳簿が12月31日で締められて、決算、つまり収支各項目のそれぞれの合計を出す作業が済んでいることが大前提となります。

まだという人は形式はどんなものでも構いませんから、早めに帳簿をまとめましょう。 

通常、確定申告の期間は2月16日から3月15日と定められています。この間に書類提出が出来るように間に合わせましょう。

申告書は、2月に入ると各自治体の区役所や税務署で配布されますし国税庁のHPなどからもダウンロードが可能です。

所得税の確定申告|国税庁

ちなみに母さんは毎年、このHPにある「確定申告書の作成」ページを利用しています。

紙でやるのと同じデザインなので勝手が違うということも無いですし、特に算数が苦手な母さんにとっては、数字を入力するだけで自動計算をしてくれるので間違いが少なくて安心です。そして計算が済んだらそれを印刷して紙の申告書として提出します。

そうすると税務署の受取りのハンコを控えに押してもらえますし、添付漏れなどが無いか?を窓口でも確認してもらえるので確実だと思っています。

 提出については、税務署に持っていく方法だけではなく、郵送での提出、オンラインで申告するe-Taxも用意されています。今年からスマホでも申告が可能と聞いてますが、ここでは理解がしやすいように紙の申告書で説明していきますね。

 

 

映像業界でフリーランスとして働いているなら、

個人事業主なので確定申告書B、

ここで説明しているのは白色申告なので一般用の収支内訳書、をご用意ください。

 

※立場が違う方はご自身にどの様式が必要か?今一度ご確認ください。

※農業での収益がある方は農業用の収支内訳書、不動産での収益がある方は不動産の収支内訳書が必要となります。

青色申告の方はその種類によって必要書類が違います。税理士さんに確かめましょう。

 

さて、全ての用紙を見た時、順番どおり見ようとするとどうしても第一表から見てしましいますが、これは主に様々な計算を最後に取りまとめて税務署の人がひと目で確認できる仕様になっている書類です。

記入は主に逆順でやっていくほうが計算が楽だと思います。

まず収支内訳書を仕上げます。収支内訳書を仕上げるために必要な内訳計算が他の場所にある時もありますから3枚を行ったり来たりしながら仕上げる感覚になります。

そして第二表、その後に第一表を仕上げます。

 

 

  1. 収支内訳書

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収支内訳書 表面

まずで示した欄に申告する年度、提出する日付、そして申告する年月日を記入しておきましょう。

2020年について確定申告する場合、【令和2年分収支内訳書】

新卒などではなく前年度以前から開業していた人は期間が【自1月1日至12月31日】です。

申告する年月日は税務署に持っていく日付が適当です。投函する方は投函する日付を記入しましょう。

そして最初に事業主としての情報を記入します。(青枠で示した部分です)

申告書の第二表にも住所氏名などを書く欄がありますから同様に記入しましょう。

事務所などを構えていないなら自宅が事業所住所となります。

屋号雅号は仕事上で特定の呼称(店名や芸名、ペンネームなど)がある場合は記入しますが空欄でも大丈夫です。判断基準として、個人事業届けを出した時の屋号がある方、領収書などの宛名が本名と違う方は記入しておいたほうが良いでしょう。

 

 ここまで書いたら裏面に行きましょう。

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収支内訳書 裏面

黄緑色の枠で示した「売上(収入)金額の明細」の欄を記入します。

支払い調書などを参考にしながら取引先ごとに取引先名とその住所、税込みの支払い金額(手取額ではありません)を記入して最後に合計額を出します。

その合計額が表面の ①【売上金額】となります。

取引先が多くて書ききれない場合は別の用紙[所得の内訳書]を使用します。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/02/pdf/001

この場合でも合計額の欄はそれら全て含めて計算した数字を書いておきましょう。

また同様の欄が確定申告書第2表にもあります。この欄も同時に埋めましょう。

 ここでは合計額は売上ではなく源泉徴収額の合計を記入します。ここで出した数字が第一表の(48)欄に書く数字です。

 

収支内訳書に戻りましょう。

 

「売上金額の明細」欄のとなりにある「仕入れ金額の明細」

この欄、母さんは使用することがありません。空白のまま提出しています。ここだけでなく自分と関連していない欄は埋める必要がありません。提出時の空欄もたくさんあります。

この欄について説明だけしておきましょう。

もしも、その事業が材料を仕入れて加工したものを販売するものだったら、主だった仕入れ先があるはずです。それを帳簿を確認して仕入先名と住所、税込みの仕入れ金額を記入して最後に合計額を出します。

これが表面 ⑥ の【仕入れ金額】になります。

売上、仕入れ、ともに食料品が含まれているとその消費税は8%の軽減税率のはずですから対象となるぶんの額だけ記入しておく欄もあります。

映像関連だと主にその人の技術そのものに支払われているので、ここに書くような仕入先があるのは“完成品を小売り”している人です。あるとすれば、仕出し屋さんや美術小道具関連の作りもの屋さんかな?と母さんはポスプロ経験しかない人間なので想像するだけなのですが…

 

仕事に必要な買い物をスーパーなどの量販店や販売店から購入した場合、それは経費の部類です。

 その経費の記入に移りましょう。

裏面 紫色の枠で示した「減価償却費の計算」を先に記入しましょう。

減価償却というのは、その物品の価値は経年と共に失われて行くという前提で、購入金額をその物品使用の時間経過に合わせて分割払いしたことにする考え方です。

経費支出の中で、ひとつで10万円以上(特定の中小企業者等なら30万円以上)の支出については、原則として減価償却費として処理しなさい、と決められています。

この計算が面倒で敬遠されがちですが、例えば車など高額なものでも未来への投資として奮発して購入した場合、額が大きいが為にその年の納税額を全て還付されても足りない程の経費支出となってしまいます。それを減価償却費として、数年間に分けて申告する事で、数年間に渡って納税額の軽減(還付)が可能になるのです。他にも減価償却をする理由があるかもしれませんが、超零細個人事業主の母さんにはこの考え方で十分です。

旧定額法を用いれば計算はそう難しくはありませんし、物品ごとの耐用年数と償却率などはこちらを見れば分かります。

【確定申告書等作成コーナー】-減価償却費

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/070412/pdf/3.pdf

 

最初の年に計算しておけば償却期間中の申告時は前年の計算を元に記入するだけですし、覚えれば怖いものではありません。頑張ってみてください。

 

減価償却費の合計を出したらそれが表面の (13)【減価償却費】です。

 

「 地代家賃の内訳」※合計額を表面 (15)に記入

地代家賃とは土地や家の賃借料のことです。(自社ビルや持ち家は該当しません。)

自宅と別に借りている事務所や倉庫などは勿論ですが、自宅兼事務所の場合も按分でその賃借料のうち仕事に使用している部分を必要経費として申告できます。

支払っている相手(大家さんや不動産屋さん)の名称を記入してください。賃借物件の欄には賃借している物件の用途(事務所、倉庫、事務所兼自宅など)を記入します。

本年中の賃借料・権利金等では上段が権利金(敷金礼金)や更新料、下段が賃借料となります。

※事務所兼自宅の事業(事務所)部分の按分の仕方ですが、使用スペースが区分けされているならその使用スペースの広さが全体のだいたい何%か?で按分できます。区分け等せずに仕事に使用している場合は、1日24時間のうち何時間仕事しているか?で按分するのも良いでしょう。※敷金が20万円を超える場合は同じ経費算入でも仕訳項目が変わる可能性がありますので気をつけましょう。

この地代家賃には持ち家などは該当しませんが、それを購入した費用のうち事業部分については減価償却費として必要経費とみなすことが出来ます。また、ローンを組んでいる場合はその支払いのうち利息部分が利子割引料として同じように必要経費となります。

ただし、住宅ローン控除を受けている場合、その事業割合が50%を超えるとその控除は受けられなくなるので注意が必要です。

所得税法では事業割合を10%以下とすると、住宅ローン控除を全額受けることができると定められていますから、事業割合をどのくらいで申告するのか?は始めにローン控除を受ける際によく考えて決めましょう。

 

「利子割引料の内訳」※合計額を表面 (16)に記入

先に述べたように、ローンなどについてはその利息について利子割引料として経費とすることが出来ます。住宅ローン、自動車ローン、銀行融資などがこれに当たりますが、金融機関に支払っているものはこの欄に記入する必要はありません。

この欄に書くのは、例えば知人からの借り入れや販売店へのローン払いなどです。

相手の住所氏名(店名)と期末(12月31日)時点でのローン残高、支払いのうちの利息額の合計、そのうちの事業部分として経費となった金額をそれぞれ記入しましょう。

 

 そしてこの収支内訳書の裏面には最後に【本年中における特殊事情】の記入欄があります。

これは長く確定申告している中で、その数字に大きな変動がある年もあるかもしれません。大きな機械の購入や事務所移転、売上の激減や激増など…

今回はコロナ禍もあって収益が大きく変わった方もいるのではないでしょうか?

その理由を書いておいたほうが税務署の担当者を混乱させずに済むので、何か思い当たることがある人は、その理由を記入しておきましょう。

理由が明確なら、もしや?と “税務署にあらぬ疑いをかけられる” ような事は起きないでしょう。

 

これで収支内訳書の裏面が埋まりましたね。

表面に戻りましょう。

きみどり色の枠で示した ①〜⑩までが収入額を決定するための欄です。

 裏面で既に記入している ①【売上金額】、取引先からの報酬のほかの収入(本業以外のバイト代など)についても記入が済んだら、その合計が ④【収入金額の計】となります。

仕入れがある方は ⑥【仕入金額】の裏面の合計を転記。

仕入金額】の他にも前年からの在庫の繰り越し分を合算、そこから期末の在庫を差し引いて、実際の【差引(売上)原価】を記入します。

 これで【収入金額の計】から【差引(売上)原価】を引くことで本当の売上 ⑩【差引金額】が記入できます。

 

※コロナ関連で「休業協力金」「持続化給付金」を受け取った方は、個人事業主ならここの「その他の収入」が該当欄となります。

 

ここから必要経費を項目ごとに記入していきます。

 

(11)〜(16)までは主だった経費の記入欄です。

(13)【減価償却費】 (15)【地代家賃】 (16)【利子割引料】はここでは裏面で計算した合計を転記するだけなので楽ですね。

(11)給料賃金・・・雇用主として誰かに給料を支払っているなら緑枠の「給料賃金の内訳」欄を埋めてから合計額を記入しましょう。

(12)外注工賃・・・外部に発注して工賃を支払った場合があるならこちらの欄に合計を記入します。

(14)貸倒金・・・・あまり使うことが無い欄なのですが、例えばお金を払って発注したにもかかわらず品物が届かずに返金もされない場合、それは貸倒金と言えます。帳簿には当初は売掛金や前渡金と記載しておきますが、回収されなかった場合は貸倒金として記載して帳簿を締めます。そういった債権がある場合はその合計をこの欄に記入しましょう。

 

(イ)〜(レ)はその他の経費を記入する欄です。

帳簿を確認して、該当項目にそれぞれの合計額を記入します。

オレンジ色の枠で示した部分はその事業において独自の仕訳科目がある場合に利用します。

科目を手書きで書き込んで他と同じように合計を記入するだけです。

 

 専従者控除を受ける方は緑色の枠「事業専従者の氏名等」に必要事項を記入した上で、(20)「専従者控除」欄に控除額の合計を記入してください。

これと同様の欄が申告書第二表にもあります。※印で示しておきました。こちらにも必要事項を記入しましょう。

 

白色申告で認められている専従者控除は、支払った賃金の額等とは関係なく、一定金額での控除が認められています。事業専従者とは、白色申告を行う納税者と生計をともにする配偶者や15歳以上(12月31日時点)の親族で、年間6ヶ月以上、納税者が営む事業に従事している人をいいます。

親族への賃金給与は経費にならない代わりにこの控除があります。

配偶者控除や扶養控除と同時には利用できません。どの控除を申告するかは決算した後に収入などを見て選択して下さい。

 

控除額は次のイ又はロの金額のどちらか低い金額となります。

イ)事業専従者が事業主の配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円
ロ)この控除をする前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額

そして、事業専従者に該当するか否かは、以下のように判定します。
イ)白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
ロ)その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
ハ)その年を通じて6月を超える期間、その白色申告者の営む事業に専ら従事していること。

 

※ここにある“専ら”というのは主に申告者の事業に従事していることを指していて、他の会社で給与を貰っていたり、そもそも従事していない家族などは該当しません。

 

 

ここまで来ると、収支内訳書については殆どの項目が埋まってきているはずです。

(17)〜(21)の項目についても、用紙に書かれている項目ごとの計算式に従って算出した数字を記入するだけです。

 

もしや税理士などにこの確定申告を依頼した場合は緑色の枠で示した部分も記入があるはずですが、税理士に頼んでいるということは必要項目はプロがやってくれているのでここで母さんが教える必要は無いでしょう。

帳簿には税理士などに支払った報酬について「支払い手数料」や「支払い報酬」として仕訳して記帳しておきましょう。

 

 

2 確定申告書B第二表

それでは、申告書の第二表から仕上げていきましょう。

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確定申告書B 第二表

青枠の住所・屋号・氏名は書いてありますか?

で示しましたが、所得の内訳と源泉徴収の合計については収支内訳書を作りながら記入ができているかと思います。

他の収入、不動産などを売却した場合の譲渡所得、満期保険金や競馬や懸賞の賞金を受け取った場合の一時所得がある人は、それについて記入しましょう。

また、給与所得者だけど副業などについてコロナ関連での持続化給付金を受け取った方かここの一時所得の欄に書き込みましょう。

 

「特例的条文等」の欄ですが、何か特例としての控除を受ける場合はここに記入します。メジャーなのは住宅ローン控除でしょうか。

母さんの場合も『住宅借入金等特別控除の控除額の特例』という長々したローン控除を受けています。書き方はこの場合は「(特)平成〇〇年○月○日居住開始」となります。

そのローン控除の名称がわかるように(認)(断)(増)(特)といった一文字と居住開始年月日を書くのですね。

ローン控除の他にも特例がありますがその場合は措法26とか所法57の2といった形で、その条例の条文番号などを記載すれば良いようです。

 

 

赤枠は控除枠がある事柄に関する部分です。

 一緒に暮らす家族・扶養している親族などがいる方(別居でも未婚未就労の子や生計を助けてあげている老人などは扶養対象になる場合があります)はその氏名やマイナンバーを記入します。

 

収支内訳書で事業専従者の記入があった人は、こちらにも事業専従者について書く欄がありますから記入しましょう。

 

保険料控除に関しては以前書いた記事がありますのでご覧ください。


co-cobachi.hatenablog.com

 

 緑色の枠で示したのは寄附金控除に必要な欄です。

ふるさと納税など、寄付をしたことについて控除を受ける方はこの欄に記入しましょう。

寄附先から送付された受領書に基づいて寄付先の名称や住所、金額を書き込みます。

ふるさと納税に限らず、赤十字や控除対象となる寄附をした方は、それぞれ該当項目に記入しましょう。

No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)|国税庁

No.1155 ふるさと納税(寄附金控除) |国税庁

 

 

紫色の枠で示した部分ですが、この確定申告で支払額が決定するであろう住民税の支払い方法を選ぶ欄です。個人事業主の母さんは「自分で納付」にマルをします。通常は会社員が特別徴収を使用します。

 

3 確定申告書 第一表

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確定申告書B 第一表

 いよいよ、申告書の第一表です。

ここまでに埋めてきた欄もありますが、ひとつづつ確認していきましょう。

住所・氏名・屋号などの記入は大丈夫ですね?マイナンバーも忘れずに記入しましょう。

 

(ア)~(イ)は収入についての欄です。手取り額などではなく総額を記入します。

主にきみどりいろ枠で示した欄に記入することになります。

映像業界で働く個人事業主が働いて得た収入は全て (ア)【事業収入(営業等)】です。細かなバイトや手伝いなどの収入もこれに含まれます。そしてここは既に収支内訳書を書く時に計算が済んでいます。収支内訳書の④「収入金額の計」に書いた数字を転記しましょう。

 

(キ)~(ケ)の欄、事業収入の他に国からの年金や生命保険の積立金を年金型で受け取っているならそれは雑所得です。

 

新型コロナウイルス感染症の拡大によっての「持続化給付金」を受け取った方で、雑所得者の方は、【雑所得(その他)】として申告しましょう。(令和3年2月現在)

※コロナに関わらず、他にも給付金や助成金を利用した方は申告までに課税対象かどうか?確認しましょう。

※コロナ禍で配られた国民1人当たり10万円の「特別定額給付金」は非課税です。

 

(コ)~(シ)、第二表にもあった譲渡所得や一時所得についてここでも記入欄があります。同じ内容を転記しましょう。

 

「収入」と対になる形で(1)~(12)「所得」の欄があります。

収入と所得、同じように思ってしまいますが大きく違います。

収入というのは受け取った総額、収入から必要経費を差し引いたものが所得です。

青い枠で示してますが収入欄で記入があった項目については、その数字からそれぞれ経費を差し引いた金額が記入されることになります。

(1)【事業所得(営業等)】には先に収支内訳書で計算した (21)「所得金額」を転記しましょう。

他の項目(7)~(11) についても、経費を指しい引いた額がいくらなのか、それぞれの収入についての明細や支払い元から送付されてきた書類などで確認しましょう。その場合に添付が必要な書類が増える時もありますから気をつけましょう。

 

枠線で示していませんが、配当金や利息での収入・所得について記入する欄もあります。株や公債・社債などの取引が無い母さんは使用したことがありませんが、ある程度以上の金融資産の運用益について記入するものです。申告が必要と思われる方はきちんと税理士さんなどに相談されるのがいいでしょう。

 

ここまで来ると自分の総合的な所得が計算できます。

(1)から(11)までの合計を (12)「所得の合計」に記入します。

水色の枠で示した欄、これが1年間の自分の純利益、“儲け”というわけです。

 

本来であればこの純利益に対して定められた税率を掛けて支払うべき税金の額が決まりますが、みんな当然のことながら社会保障に対して保険料を支払っていたり、自分以外の家族を養っていたり、暮らしの中で様々な社会貢献を果たしています。

そこで国が細かく項目に分けて控除額(儲けから差し引いていい金額)を設定してくれています。個人事業主が確定申告をやっておいたほうが良いと感じる部分もここにあります。

税金を安くしてくれるのですから利用できる控除枠があるなら多少めんどくさくても事前に提出書類などを揃えて積極的に申告しましょう。

 

主だった控除枠を赤い枠で示しました。

(13) 「社会保険料控除」は健康保険料・介護保険料・国民年金国民年金基金などの全額を記入します。

(14)~(16) の保険料控除については申告書の第二表に記入した支払い保険料や、控除証明書を確認してから、それぞれの控除額を計算して記入しましょう。

地震保険料の控除額の上限は5万円です。5万円を超えないものについてはその金額を、超えるものについては上限の50000を記入してください。

 

生命保険の控除額の計算には下記の表を参考にしてください。

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(17)~(23) はその世帯の状況や家族の年齢や所得に応じて、条件を満たしていれば利用できる控除です。その家族の状況、年齢や収入によって控除対象かどうかは違ってきます。第二表に記入した家族・親族について、該当する家族がいるかどうか?控除額はいくらか?は項目ごとに国税庁のホームページなどで確認しましょう。

No.1191 配偶者控除|国税庁

No.1195 配偶者特別控除|国税庁

No.1180 扶養控除|国税庁

No.1182 お年寄りを扶養している人が受けられる所得税の特例|国税庁

No.1160 障害者控除|国税庁

No.1171 ひとり親控除|国税庁

No.1170 寡婦控除|国税庁

No.1172 寡夫控除|国税庁

 

(24)「基礎控除」・・・これまでは一律38万でしたが、令和2年分の申告から所得に応じて控除額が変わるようになりました。所得が2400万以下の人は控除額が48万です。それ以上の所得の方は国税庁ホームページ等で確認しましょう。

No.1199 基礎控除|国税庁

 

(25) ここまでの控除額の合計を記入します。

 

(26) 「雑損控除」・・・災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等に、一定の所得控除を受けることができます。第二表に必要事項を記入して、控除額を計算して記入します。

No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)|国税庁

損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合、翌年以後(3年間限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することも出来ます。

災害の場合、災害減免法による所得税の軽減免除とどちらか選択することも出来ます。この控除は(42)「災害減免額」の欄に記入します。

No.1902 災害減免法による所得税の軽減免除|国税庁

 

(27)「医療費控除」・・・1年間を通じてその世帯全体の医療費が、医療保険の給付金などを差し引いても10万円を超えた部分については控除してもらうことが出来ます。

または対象の医薬品を町の薬局などで購入した総額の1万2千円を超えた部分について控除してもらうことが出来るセルフメディケーション控除制度もあります。

必要な添付書類や金額の計算については国税庁HPを参考にしましょう。

No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁

 

(28)「寄附金控除」・・・ここも第二表で既に金額などが記入されているはずなので転記しましょう。

 

(29) オレンジ色の枠で示してますがここで控除額の総額を計算します。

 

これで純利益と控除額の二つがわかったので (30)「課税される所得金額」が計算できます。

(1)から(29)を指し引いた金額ですね。そして1000円未満の額はここで切り捨てになります。

(30)に、その課税所得金額によって定められた税率を掛け合わせて税金額を計算・記入します。

所得が195万円未満の場合は税率0.05、

195万以上330万未満の場合は税率0.1、

330万以上695万未満の場合は0.2、…という具合に所得が増えるごとに税率も高くなります。

これ以上の所得がある人は下記で確認してください。

手順4 税金の計算をする|国税庁

 

(33)・・・事業を営む方が、中小企業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除など、事業所得等の特例に係る税額控除の適用を受ける場合に使用します。

左側空欄に「投資税額等」、区分欄「1」と記入し、控除額を記入します。

第二表の特例適用条文等にも該当条文を記入します。

 

(34)~(40)・・・寄附金控除やローン控除などを利用する場合には、第二表への記入と併せて記入します。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/pdf/031.pdf

令和2年分(特定増改築等)住宅借入金等特別控除を受けられる方へ|国税庁

 

(43)「差引所得税額」(基準所得税額)に改めて税額を計算して記入しましょう。 

税金控除の欄に記入がない人は(43)に(31)と同じ数字が入ります。

この金額の2.1パーセントが (44)復興特別所得税額です。

 

「差引所得税額」(基準所得税額)と復興特別所得税額を足したものが、この申告で確定する自分の納税額となります。(45)に記入しましょう。

 

(48)「源泉徴収税額」・・・第二表に記入した「所得の内訳」の最後の欄が源泉徴収税の合計でしたね。ここにそれを転記しましょう。

 

さぁ、「差引所得税額」(基準所得税額)と比べて「源泉徴収税額」は多いでしょうか?少ないでしょうか?

源泉徴収税額」は報酬を受け取るごとに予め差し引いて仮に納税してあったものです。これが実際の納税額より多い場合は還付を受けることが出来ます。反対に少ない場合は足りない分を期日までに納めなくてはいけません。

 

(43)「差引所得税額」(基準所得税額)から(48)「源泉徴収税額」を差し引いた金額を、

(49)「申告納税額」に記入しましょう。マイナスになった場合は△を数字の前に付けます。

  「申告納税額」がプラスの人は(51)「納める税金」に、

「申告納税額」がマイナスの人は(52)「還付される税金」の欄に同じ金額を記入します。

 

そして還付を受ける場合は忘れずに自分の銀行や郵便局の受け取り口座についての情報を記入しましょう。不備無く順調なら申告からひと月ほど経った頃に還付金が振り込まれます。

 

他にも紫色で塗った欄は必ず記入を、と促されていますので、記入漏れがないように注意しましょう。

 

 

 

母さんがいつもやっている確定申告のやり方はこれで終了です。

人によっては「その他欄」の項目に記入しなくてはいけないこともあるかと思います。

国や税務署から届いた書面、雇用主などとやりとりしている明細などをよく確認しておきましょう。

 

 くたびれましたか?くたびれますよね。

 毎年これがあるのです!

来年の確定申告を少しでも楽にするためにはコツコツと準備をしておくよりありません。

経験が自分を助けるようになります。一緒に頑張りましょう。

アタラシイの不思議

新しい年が始まりました。

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いつもお正月になると、今年こそは!今年から!と何かを決意する言葉を新年を迎えたタイミングで宣言する人が大勢います。書き初めにそんな決意表明を書く人も多いですね。

母さんは書くことはしないまでも、やはり周囲の決意宣言につられる形で毎年のように「ダイエット」とか「寄せ植えを上手に」とか「部屋に埃を溜めないマメな掃除を」とか、自分の理想を思い描いています。

新年に限らず転職や引っ越しなど、不思議なものですが何かが「新しく」なると自然と別の事まで「新しく始まる」ような気持ちになるものです。

 

あれをやってみよう。あんなふうになりたい。

 

それが、カレンダーが新しくなっただけで、勤め先や暮らす街が変わっただけで、実現可能な気持ちになるのは本当に不思議なことです。

しかしそれは、未来を良いものにしていく為にはとても重要なことだと母さんは思っています。アタラシイに触れて出てきた夢や理想はすごくキラキラしていて、蔑ろにできないパワーを持っているように感じてしまうのです。

(これが占い師とか信心深い方が言っている神様の力なのかもしれませんが、母さんはその辺りはサッパリなので悪しからず)

 

 

ともあれ、今年もここからアタラシイ何かが始まっています。

あなたもアタラシイ何かにチャレンジしませんか?

 

どんな未来でも、最初は何かを思い描くことから形作られています。

例えばカレーを食べたいと思って材料を買い、思い通りにカレーを作って食べる。

単純に言ってしまえばそうやって未来が現実になり過去へと過ぎ去っていく…

カレーを作って食べただけ。それがどうした?という小さな暮らしのひとコマですが、そのカレーを作った経験からさらに美味しい料理を作れるかもしれないし、逆に料理に失敗して諦めても、外に食べに出ることで誰かとの新しい出会いがあるかもしれません。

 

どんなに大きな夢があっても、最初の一歩はほんのわずかな「思い」でしかありません。

小さな「思い」を「実行」することで、自分や周囲に小さな「変化」が生まれます。

その小さな「変化」を繰り返して大きな「変革」にしていく。

どんなに大きな成功をおさめた人でも、みんなこのプロセスは共通しているはずです。

そして、理想というのも大きなことじゃなくて全然いいはずなんです。

 

ひとつ注意しておきたいこともあります。

母さんがとある営業職に身を置いていた時に、よく上司に命じられて「目標」を紙に書かされて貼り出されていました。

上司によると「目標を明確にすることで実現可能になる」とのことで、今回の話とよく似ているようにも思えるのですが、実際にはこれはクソほどの意味も無いことでした。

誰かに言われて掲げた目標は見栄やエゴにまみれていて、母さん自身の本当の「思い」とはそもそもかけ離れた内容でしかなかったので、「実行」する気持ちにもならないのですよね。

しかもこの「目標」というのも上司が思う理想を汲み取って書かないと怒られるので、到底出来る気もしない大げさな目標を書くより無く、益々もって意味不明でした。

 

大切なのは、自分に正直なまっさらな「思い」があること。

小さくても良いから、やってみたい、何かを見つけた時、可能ならその「思い」をわずかでも「実行」すること。

その結果で出た「変化」を見極めて良いものを残していけば、未来は徐々により良いもので満ちていくのではないか?そんなふうに考えてみて欲しいのです。

挫折や諦めがあっても大丈夫。その場合は無理とわかったことが良い結果だと思うことにして次の何かを探せばいいんです。

ほんのわずかな行動からの「変化」、その積み重ねでしか理想の実現は成し得ません。

 

 

今の「思い」を大事に育てて少しでも「実行」してみてください。

母さんは前を向く人を応援してます。

 

 

なんだか怪しげなセミナーのような記事になってしまいましたね笑。

母さんの場合、正月に思った「今年こそ!」はあまり実現できず終わってしまって、また翌年ほぼほぼ同じようなダイエットだの整理整頓だの言うに決まっているのですけど、そのこまごました小さな目標たちのおかげで、ちっちゃい何かは前進していることを信じて、また今年も「今年こそ!」を出来るぶんだけ頑張っていきます。

 

確定申告ノススメ 実践!帳簿作成編

 

個人であっても事業として仕事をしていますから、個人事業主も会社と同様、業務上の取引を日々、帳簿に記録していく必要があります。

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業務上の取引というのは、「材料を何処から幾つ仕入れて幾つ売り上げた」は勿論ですが、「業務に必要な文房具を何個購入した」「仕事に行く為に電車賃をいくら払った」「打ち合わせに使用した喫茶店でいくら支払ってコーヒーを飲んだ」などもこれに当たります。

確定申告をするためには、その取引の時に発行された領収書やレシートを用いて帳簿を記帳して、一定期間それらを保管しなくてはなりません。

その年の1月1日(事業開始の年なら開始した月)から12月31日までの売り上げや利益を正確に記帳したものを、その申告から7年間、その帳簿に使用した領収書や明細やレシートなどは5年間、保管する義務があります。申告の時に提出するわけではありません。自分で管理をちゃんとしておきましょう。

領収書がもらえない時は自分で都度、出金伝票を作っておいても良いでしょう。

 

帳簿に記入する事を記帳と言いますが、記帳には「複式簿記」と「単式簿記」の2種類があり、その難易度によって控除額が変わってきます。

複式簿記 …7種類程度の帳簿に記録していく方法で、とても細かく仕訳した帳簿付けが必要となります。そのため手間暇がかかりますが、その分の特典として65万円の青色申告の控除を受けることができます。

単式簿記単式簿記は1種類から5種類程度の帳簿に記録していく方法です。収入と支出を1つの科目に絞って記帳するため、非常に単純で会計の知識がなくとも誰でも簡単にできます。ですがその分複式簿記のような特典はなく、青色申告の10万円控除(もしくは白色申告)のみとなります。

 


ここでは簡単な白色申告のための単式簿記(簡易帳簿)の付け方を解説していきます。

こういった事務に慣れたら複式簿記にして青色申告を目指すのも良いでしょう。

(※青色にする方は事前にその年の3月15日までに税務署にその旨を申し出て許可を得なくてはなりませんから気をつけてください)

 

白色申告の場合、帳簿の仕様には決まりはありません。

記入しておくべき項目は、支出や収入があった日付と名目、そして金額です。

帳簿の仕様は様々です。

一般的な家計簿を作り変えても、白紙のノートに自分なりに記帳しても構いません。

自分に向いていて続けられるやり方を選んでください。続かなければ意味がありません。

パソコンやスマホアプリで作成する場合は定期的に印刷しておきましょう。

 

でもどうせなら、申告の時に楽な記帳の仕方が良いでしょう。

金額は勘定科目というお金の用途ごとの科目に振り分けて記帳しておくことで後々の科目ごとの合計額などの計算が楽になります。

さらに、確定申告書に記入する項目と帳簿の勘定科目が同じように並んでいると申告の時のミスも減りますし、日々の記帳から確定申告に対して意識することにもつながります。

 

例として母さんが利用している帳簿をお見せします。エクセルで作られています。横長なのでスマホには向いてませんが、実際にはこれを元にして使いやすいように設定などを変えて使用しています。

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さあ帳簿をつけていきましょう

取引の年月日 何処から、どれくらい、何を購入したのか…

それを勘定科目ごとに振り分けて金額を記入していきます。これを仕訳と言います。

文房具なら「消耗品」。電車賃は「交通費」。

打ち合わせの飲食は「交際費」または科目を自由に設定して「会議費」などでも良いでしょう。

この自由設定の科目は自分の仕事内容に合わせて設定しておくと便利です。

 

 

 記帳は日々、お金の動きがあれば逐一、領収書などを確認しながら日付と摘要(品名・仕入先・取引先など)を記入してその仕訳します。

そして月末に科目ごとの合計を出して締めておき(別表になっても構いません)、月初めはページを変えて前月の残金や在庫などを改めて記帳してから、また月末(または期日)までのお金の動きを都度記帳して..を繰り返して、12月31日に1年間の科目ごとの合計を出します。これが決算です。

 

 

ここからは科目ごとに解説しますので

自分の帳簿に仕訳してみましょう

     1 収入

【売上(収入)金額】・・・本業に対しての報酬

【雑収入】・・・事業とは別の収入(副業や講演料など)に対しての報酬

本業とは別にバイトなどで収入を得ている人も居ると思います。

雇用契約に基づいている場合はその収入は給与所得となります。これはこの帳簿ではなく確定申告の時に給与の欄に記入することになります。源泉徴収票などをしっかり貰っておきましょう。

給与は経費を落とすことは出来ませんが65万の控除が出来ます。

※給与支払い額180万円以下だと収入×40%または65万円の大きい方が控除額となります。

それ以上給与所得がある人は経費の申告が可能だったりしてまた数字が変わりますので詳細は別に調べてみてください。

 

 2 売上原価

仕入額】何かを購入して加工・販売している方はその名称と仕入先や購入した量を正しく記入しておきましょう。月末・期末には棚卸を行なって在庫の残も記帳しましょう。

※技術料などで収入を得ている方はここは関係ないかと思います。母さんは使ってない科目です。

 

 3 主な経費

【給料賃金】人を雇ってお給料を払っている場合、配偶者など家族でも給料を払っているなら記帳します

【外注工賃】自分が請け負った仕事のために外部に頼んだ場合の経費のことです

減価償却費】通常は10万円以上の品物を購入した時はその品物の使用年数ごとに経費として清算していきます。帳簿では年間の償却費を月割りして毎月記帳しておきます。日付は月末にまとめてで構いません。

【貸倒金】これは本当なら収入になっていたはずのものが何かの理由で払われなかった時に記帳します。相手に貸したまま返却されなかった負債だと考えてください。一般的な簿記だと、売掛金、未収入金、受取手形、貸付金、前渡金として記帳されていたものが回収できない!となった時に名称が貸倒金となって経費として扱うわけです。

個人で細々とやっているうちは縁が薄い科目だと思います。起きて欲しくはないけれどギャラの未払いが発生した時などは使うかもしれませんね。

 

【地代家賃】土地や建物を借りる時に支払う賃借料のことです。(ローンは当てはまりません。)仕事に使う倉庫や事務所などの家賃が当てはまります。

また、自宅を事業所としている方も多いでしょう。その場合は自宅スペース全体のうちどれくらいを仕事に使っているか?をご自身なりに計算してください。だいたい30%かな?とか、いや部屋の半分は事業の荷物で埋まってるなぁ、とか。そして家賃や管理費などの使用ぶんを計算して記帳しましょう。

スペースに区切りを設けてない場合は1日のうち自宅で仕事をどれくらいしているか?を割り出して按分しても構いません。

※この事業割合と家事割合を考えて全体の何割かを按分で経費計上するやり方(家事按分といいます)は他の科目でも大いに使用されますので憶えておきましょう。

 

敷金、礼金等も金額が20万円未満の場合は地代家賃として扱います。

金額が20万円以上の場合は先に繰延資産として資産計上しておいて、5年以内の期間で償却して処理します。 

いずれ返ってくる場合もひとまず資産として計上しておいて、返ってきた敷金からクリーニング費用などが引かれていたら、その金額を経費にします。

 

【利子割引料】これは事業の為の借り入れ金の利息のことです。

事業の為に銀行や消費者金融から借り入れをした際の利子や、親戚や知人(生計を共にしていないことが条件)などから借り入れをした際の利子。

他に、仕事以外でも使用する機会がある自動車ローンや、自宅兼事務所の住宅ローンも家事按分で計上出来ます。リボ払いや分割払いの手数料も同様です。

 

  4 その他の経費

ここから更に細かな科目になります。主な経費よりも金額や支払日にばらつきがあるものが纏められていますので、記帳の時は日付や金額を正しく記入することが大切です。

この科目は名称は見慣れなくても仕事の中でなにかしら登場する支払いばかりですから、だいたいの科目の意味を理解しておきましょう。

租税公課税金や組合費などのことですが、所得税や住民税は当てはまりません。事業の為に支払ったものに限られるからです。

主に、個人事業税、固定資産税、自動車税収入印紙代、商工会議所会費、組合などの会費などがあります。家事消費もある税金については按分します。

【荷造運賃】商品を発送する際の送料のことです。

車で運んだ時のガソリン代や運転やトラックなどを頼んだ場合の外部委託費用、

海外や飛行機に乗せる際の検査手数料などの他、ダンボール箱、包装紙、緩衝材、ガムテープ、ひも等の荷造りのために購入したものも荷造り運賃です。

 

郵便小包や書留、宅配便やレターパック、船舶、鉄道、航空機などの輸送費などももちろん該当します。

※手紙やハガキは後述の通信費です。

 

水道光熱費これは家計簿でもおなじみですね。水道代、電気代、ガス代、です。

これも自宅兼事務所の場合は家事按分を使って計上します。

 

【旅費交通費】バス電車タクシーなどの交通費や、出張の際の航空費や宿泊費、従業員の通勤手当などが該当します。SuicaPASMOのような交通系電子マネーについては利用履歴を紙で出力して持っておきましょう。

※新幹線のグリーン料金は経費に出来ません。飛行機のファーストクラスやビジネスクラスについても税務署から指摘を受けやすいそうですが仕事に必須かどうかを説明して交渉することになります。

【通信費】主に電話代と郵便代のことです。

電話やインターネットにかかる費用(回線などの開設工事費、固定電話・携帯電話の利用料金、通信料金、プロバイダ料、回線使用料など)、郵便料金である切手代、ハガキ代などが当てはまります。

 

【広告宣伝費】その名の通り宣伝のための広告などにかかる費用のことです。

ポスターやチラシ、ダイレクトメール、名刺などの印刷代金、看板やホームページ、やアプリなどの制作費や運営費、新聞や雑誌、ネット、地元のクーポン誌などに広告を出す広告料、手数料なども該当します。

※広告には求人募集なども含まれています。

 

【接待交際費】事業を円滑に行うための取引先との飲食や、お歳暮などの費用です。

他にも、お世話になったことへの謝礼金、送迎のタクシー代、手土産や差し入れ、冠婚葬祭の祝い金・御香料、接待ゴルフなども当てはまります。

その相手と仕事上の接点があるかどうかではなく、将来的なことも含めて仕事の為になっているなら経費とみなされます。

非常に該当範囲が広くなりますし趣味と仕事の境目の判断が難しい科目ですから、税務署にいつでも説明できるように記帳だけでなく領収書の余白などにも、誰と?どんな目的で使った費用なのか?が、わかるようにメモしておくと良いでしょう。

 

【損害保険料】事業に関わる損害保険にかかる費用です。

事務所の火災保険・地震保険、事務所や店の商品の保険だけでなく、事業者本人の賠償責任保険なども含まれる場合があります。車や自宅兼事務所などはほかと同様に家事按分を使って計上します。

【修繕費】仕事に使用している物品の修理費用です。

パソコンの修理、車の修理、事務所の窓や壁の修繕・リフォーム、業者に依頼したメンテナンス料金。また20万円以下なら改良についても修繕費が適用できます。

【消耗品費】机やパソコンから、プリンターにコピー用紙、お茶や洗剤、便座カバーや文房具等々、すっぱり言ってしまうと10万円未満の備品は、ほぼ全てが消耗品費です。ちょっと珍しいものだとクラウドサービスの利用料もこの科目に仕訳できます。

ただし中には他の科目にも仕訳することが出来る品物が多くあります。

例えば、封筒は通信費とも言えますし、電球は修繕費、ガソリン代は交通費にする人も多いです。

基本的には消耗品でも別の科目でもどちらでも構いませんが、同じ品物なのに科目が都度変わる、なんて事にならないように気をつけましょう。

※10万円を超える品物については減価償却が必要になります。

 

【福利厚生費】

福利厚生費とは、従業員の生活向上、労働環境改善のために使う費用のことです。慰安旅行費や忘年会の飲食費、通勤費もこれに含まれます。法人でなくても、従業員を雇用している個人事業主も利用できます。

ただし、独りで働いている場合や家族従業員のみの場合は福利厚生費で処理できるものはありません。

また、福利厚生費と見なされるには、すべての従業員が利用できる平等性があることや、金額が常識の範囲に収まっていること等、一定の条件を満たしている必要があるので気をつけましょう。

 

 

その他の経費はここにあるだけではなく、

その業種特有の科目も加えて構いません

母さんの場合は【研究費】として担当作品の原作購入や関連作品の視聴や閲覧にかかった経費を仕訳しています。フリー音源を購入した年は【音源購入費】という科目を作ることもあります。

他にもダンサーやメイクさん小道具さんの【被服装飾品費】、監督やプロデューサーの【会議費】など、仕事の内容によって様々な科目があって良いのです。

大切なのは同じような購入物品を気まぐれに仕訳せず、自分なりの約束事を決めて前回仕訳した科目と同じ科目に仕訳する事です。

 

そして最後に【雑費】という、どの科目にも属さない支出があった時に仕訳する科目があります。

 

そして、地代家賃の欄でも説明していますが今一度、

家事按分についてお話ししておきましょう。

個人で仕事をしていると購入したものの中には、家庭(私用)でも使うものも出てくるかと思います。

この物品は業務用か?それともプライベートか?

ひとつのものでも、使用目的や使用頻度などで、例えば7割がたは仕事に使用しているとなればその値段の7割を記帳すれば良いのです。もしも家計簿をつけているなら残りの3割は家計簿に記帳されることになります。

その使用割合などは品物によって様々でしょうから、その領収書やレシートに都度メモしておくと安心です。

 

 どうでしょう?

自分の帳簿は出来上がりましたか?

レシートが見つからないとか、経費として扱って良いのか判らない買い物があるとか、問題点も数多く抱えている人も居るでしょう。

映像業界は、税務どころか経理も全く素人で一人で働いている個人事業主ばかりです。みんな最初は判らない事だらけのまま、誰かから教わったり自分で調べたり、時には漏れや不備があったりしながら、なんとかやっているわけです。

完璧じゃなくても大丈夫ですから、書き込める経費を思いつく限り記帳することを、まず始めてみてください。

帳簿は慣れです!頑張りましょう

 

 

ドラマを観ながら考えてみたこと

                           

実は母さん、テレビドラマがとても好きです f:id:co_cobachi:20201027170635p:plain

 

効果選曲を生業にしてることもありますが、これはもう「ラーメンが好きです」くらい当然にドラマ好きです。

キラキラ恋愛ものも若い頃は多く観てましたが、近年の流行もあっていわゆる“お仕事もの”も楽しんできました。

古いものから言えば、ナースのお仕事、悪女〜わる〜、ハケンの品格ショムニ離婚弁護士・・・

比較的最近だと、トッカン、重版出来、同期のサクラ、凪のお暇(は働かないけど笑)、ハケンの品格の新しいやつも嬉しく懐かしく拝見しました。

どれも女性が職場で、というか社会で、輝き方を模索しながら成長していく(成長させる)物語です。

 

そして、こういったドラマがヒットする度に「女性の社会進出がめざましい中で生まれた女性目線の」とか「働く女性の共感を呼んで」とかいう批評もよく目にしますよね。

でも母さんは同時にその背景の隅っこのほうも見えて考え込んでしまうのです。

異論もありそうですが、そもそも日本のテレビドラマは大人がターゲットとすれば主に女性が観る前提で企画制作されて来た部分があると母さんは睨んでいます。

実際よく登場するじゃないですか?リビングに寝そべって再放送ドラマを観ながら煎餅をバリっと...なんて場面。午後の再放送枠は新ドラマの番宣を家に居るであろう奥様達に向けてする為にチョイスされています。

これは女のほうが勤務時間が男よりも少なくて在宅率が高いというこれまでの事実があるからでしょう。昼下がりじゃなくてもドラマのゴールデンタイムである夜9時10時だって、世の男たちは帰宅しやしません。

 

活躍めざましいはずの働く女性のドラマの中でも、どうやら女性はピタリ定時か遅くても6時頃までに仕事を終え、出会いを求めてクラブに通うか(子持ちだとこれが家飲みに変わりますね)、愚痴を吐き出せる友人達と集まるか、が日常。

それが急なトラブルでデートに間に合わない!とか意地悪な上司や客のせいで仕事が終わらない!とか言ってドラマを盛り上げるのです。あの娘さん達はせいぜい遅くても7時頃には帰宅していて飲みがある日でも10時には風呂入って美肌パックしています。じゃないとあの可愛らしさは保てません。

そしてドラマ内の働く男性たちはと言うと、夜9時を過ぎても当然の残業。または、今日は早く終わった!ならばの同僚や上司、取引先との付き合い飲みで「俺いつものね」と毎晩のお決まりコース。

合間にイケメン独身の脇では中年サラリーマンがちょっと携帯の待ち受け画面を眺めて、今夜も子供の顔は寝顔しか見れないよ〜、もしくは待ち受けの子供は別れた元妻のところで…と、ため息をつくばかり。。てな調子です。

 

一応言っときますけど、ドラマはしっかり面白いんです!

そりゃもう毎クール母さんは夢中です。

どんな登場人物にもちゃんと納得できるし主役達が可愛すぎカッコ良過ぎなこと以外は現実味もある。

この現実味がちゃんとある事を、ちょっと母さん自身に問いたくなっちゃう、という話でしてね。

 

友人を大切にするのも良いことだし、付き合いも大事。

仕事を頑張ることにも異論はありません。

でもなんでこんなに女性の生活と男性の生活って時間軸や子供との関わり方にズレがあるの?もっと言うと、なんでそう思うような場面ばかりのドラマが出来上がるの?

 

それはこれまでそうやって

女性と男性が社会の中で住み分けを行って来たからなんでしょうね。

 

母さんがドラマを見続けて、もう何十年経ちますでしょうか?

あぶない刑事から数えますか?

まさか太陽にほえろ!から数えちゃいますか?

いっそロボコンから数えても良いんですが。

 

とにかくね、もうね、

ずぅーーーーーーーーーーーっと

 

女性も男性も

その役割が変わってません

 

優しい、家に居るママ。

厳しい、授業参観に来るママ。

優しい、日曜にゴルフに行っちゃうパパ。

厳しい、模試と通知表しか見ないパパ。

悲しい、シングルマザー。

悲しい、離婚されたオトコ。

寂しい、独身オンナ。

寂しい、独身オトコ。

 

一転、結婚すれば万々歳!

 

な、世界観。。。

 

長いですよ。

テレビが出来て、ドラマが作られるようになって、もう数十年ですよ。

 

そろそろ、変化しても良いんじゃないでしょうか?

 

そして変化するべきは男性も女性も雇用する側もされる側も「お互いに」です。

いま現在、終電ギリギリまで仕事に費やす女性もきっと居ますし、夕方5時ピタリに仕事を終えてまっすぐ子供のお迎えに行くパパも居るでしょう。それはでも、代わりに結婚や出産を諦めていたり、奥さんが夜遅い仕事に就いていたりするからですよね。

それは役割を誰かと取り替えただけです。

 

自分や誰かの我慢や犠牲の上で仕事をしたり子育てをしたりじゃないと何も進めない仕組みが、残念ですがまだたくさん残っています。

 

 

これは勝手な母さんの理想ですが・・・

 

企業は従業員が定時で帰ることを当然として、残業代で稼がなくとも給与がある程度の水準に達していて

従業員は男女の別なくその人の性格やスキルに見合った部署に配属されて

どんな仕事に対しても敬意と感謝を持つことが出来て

ちょっとしたイレギュラーで残業して帰りが遅くなってもセクハラにも痴漢にも遭わず家族や恋人からも理解され

結婚や出産が退職の理由なんて時代錯誤だよね〜!でも転職はしちゃうかも?くらいな女性が当たり前で

彼女の海外赴任について行きたいんです!と言う青年や、お給料ぜんぜん少ないけど結婚したいんだ!とプロポーズする青年も当たり前で

結婚も離婚も出産も介護も人生の中のひとつの章にすぎないと誰もが感じていて

そして必要ならいつでも助けてくれる誰かが近くに居て

子供のお迎えはパパもママも一緒に行けて

夕飯は誰か料理の得意な人が作るか当番制にするかして

毎晩、家族揃ってたくさん話したり喧嘩したり慰めたりして

とは言え独りで食べたとしてもちっとも嫌じゃなくて

そりゃまぁ時々は友人とも飲みにも行くけど、仕事関係は気の合う人としか会わないようにしても全然支障無いし

育児放棄も虐待も無く近所の大人達みんなで子供を見守っていて

浮気?何それ?

いじめ?何それ?

かわいそうって何?

幸福と不幸ってどう違うの?

捨て猫?捨て犬?まぁ無いでしょうけど見つけたら全部連れといで!

 

 

ていう未来に

本気で変わりませんか?

 

未来を変えるためには、今、ちっさい事から自分が変わっていく必要があります。そのちっさい今の変化の積み重ねでしか、未来を変える手立てはありません。

 

あなたは、まずどこから変わりたいですか?

 

期待してます。

いつか、未来のドラマを驚きではなく当たり前なものとして観ていたいんですよ、母さんは。

期待しています!

 

 

てゆう、熱い妄想を誰か受け止めてくださいまし。

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理想が現実になった時、少なくとも半沢は生まれないなぁ。

 

 

やってみよう!保険料控除 確定申告編

 

 

さて!確定申告での保険料控除のやり方を説明しましょう。

 

会社員の年末調整時の保険料控除についてはこちらをどうぞ。

co-cobachi.hatenablog.com

 

確定申告は会社員より3ヶ月ほども後の翌年の2月3月です。

 ドリカムの歌なみに母さんは何度でも言いますよ。

 

[保険料控除証明書]保管してありますか?

保管してますよね?

ますよね?!?!

 

 

他にも必要書類がちゃんと揃っているか?事前によく確かめて確定申告に向かいましょう。

個人事業主は確定申告書Bを使用しますが、年末調整で申告できなかった会社員の方は確定申告書Aで申告します。

図はB様式ですが、AもBもほぼ同じ場所に保険料控除の欄があります。

自分に必要な申告書はAか?Bか?先に確認してくださいね。見出し以外ほぼ見分けつかないですからね。

 

個人事業主もやることは会社員の場合と同じ。記入欄の順番が少し違うだけです。

コツとしては、

金額の内訳欄が第二表にあるので第二表から記入しましょう

  

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図の赤枠

最初に社会保険料について記入する欄があります。

国民健康保険国民年金国民年金基金については全額が控除されるのでとても大きいです。

必ず記入しましょう。社会保険控除証明書などが無ければ口座引き落とし額などを確認して1年間の支払額を記入してください。

国民年金国民年金基金については控除証明書の添付が義務付けられています。見当たらないときは再発行を日本年金機構に依頼しましょう。

 

その隣の小規模企業共済等掛金控除の欄ですが、

例えば、最近流行りのiDeCoをやってる方はここに記入します。他にも協会などで対象となる掛け金の支払いがある方は記入しましょう。これも全額控除となります。どの場合も掛金控除証明書の提出が必要です。

 

生命保険料控除の欄についての記入欄はあっさりしていて、

記入するのは3種類の枠と新制度・旧制度に振り分けたものの合計額です。

 

自分の払っている保険料は

新制度か?旧制度か?

『一般生命保険』『介護医療保険

個人年金保険のどれ?

 控除証明書を参考にしながら別紙などに計算してから、その区分ごとの合計額を記入しましょう。

この控除証明書は通常は秋に発行されています。その為その年のうちに支払う予定の保険料がまだ全て支払われていないので【証明額】とは別に【申告額】や【支払い見込み額】など12月までに支払い予定のものが全て支払われた場合の額が記載されています。予定通り支払った方はその大きい方の金額を計算に使用するようにしてください

 ※支払いが予定通りにはならなかった人は保険会社にお願いして正しい申告額が記載された控除証明書を発行し直してもらいましょう。

 

 

控除額の計算方法は以下の図の通りです。

住民税については確定申告後に自動的に計算されるものなので、ここで記入する額は所得税の控除額です。

 

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国税庁HPからダウンロードできる手引き冊子にも該当欄を埋めると計算式になっているページがありますから、そこに記入してから申告書に清書するのも良いでしょう。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/pdf/002.pdf

また、生保各社のHPにも計算ツールが用意されていますから、これも便利です。

 

次に地震保険料控除の欄があります。

これについても地震保険に入っていれば控除証明書が送られて来ますから、それに書かれている【控除対象保険料】の額を記入します。

 

では第一表に行きましょう

第一表の記入欄と第二表の記入欄はそれぞれ同じ番号で紐づいています。

下記の図の赤枠を見てください。

申告書B なら10番〜13番が保険料控除に関する欄です。

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10番に社会保険料控除額の合計を、

11番に小規模企業共済等掛金控除の合計を、

12番に新旧3枠すべての生命保険料控除額の合計を、

(※ただし旧制度だけなら10万、新制度や新旧合算なら12万が合計の上限額です)

5番に地震保険料控除額を、(※ただし上限額5万です)

                           それぞれ記入してください

 

そしてそれぞれの控除証明書を添付書類台紙にのり付けします。

郵送などでの提出ではなく税務署の窓口などに持参する場合は、台紙を使わず申告書の提出時に一緒に出しても構いません。すると担当者が申告書にホチキス留めしてくれます。

枚数が多いなどで貼りきれない時は別の紙に貼っても大丈夫ですし、台紙の指定場所を守らないといけないわけでもありません。

足りない証明書が無いか?にだけ気をつけましょう。

社会保険料のうち国民健康保険料についてだけは証明書の提出の必要はありません。

※ひとつの枠でいくつも保険に入っていて、一社だけで年間8万円または10万円を超えている場合、他の会社への支払いについての記入や証明書の提出をする必要はありません。

 

 

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以上が、確定申告における保険料控除申告のやり方です。

他の欄についても

計算や書類添付を済ませて期間内に届け出ましょう

 

 

さて、

控除したことで税金がどれくらい安くなるのか?

  それは課税所得がどれくらいあるのか?によって違います。

 

   ここからはザックリとした計算ですが…

新制度の場合、ひと枠につき年間8万円を超える保険料を払っている人は所得税が4万円、住民税が2万8千円の控除を受けることが出来ます。3枠あわせて最高で所得税12万円、住民税7万円の控除となります。

旧制度はひと枠の上限額が多い代わりに介護医療の枠が無く、ひと枠につき年間10万円を超える保険料を払っている人は、上限の所得税5万円、住民税3万5千円の控除を受けることが出来て、最高で所得税10万円、住民税7万円の控除となります。

※新旧の両方とも申告する場合、3枠あわせた時の上限は12万円までです。

 

これまたザックリした計算ですが、3枠の上限全て12万の控除申告した人で、税金が課税額に対して所得税5%・住民税10%の人が居たとします。

(これはごくごく一般的な収入の方に多い税率です)

この人は保険料控除をしたことで、所得税は6千円、住民税が1万2千円、負担が少なくなる(還付される)計算になります

 

これを少ないと思うか?嬉しいと思うか?それは人それぞれでしょうけれど、

せっかく年間を通して払って来た保険料なのですから、

うまく制度を利用して少しでもお得に春を迎えましょう

 

詳細はこちらをご覧ください

https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1140.htm

手順3 所得から差し引かれる金額(所得控除)を計算する|国税庁

No.1130 社会保険料控除|国税庁

No.2020 確定申告|国税庁

 

やってみよう!保険料控除 会社員編

 

さて、秋の初めに母さんが大声で叫んでいたことがありました。
co-cobachi.hatenablog.com

 

[保険料控除証明書]のことです。

保管してありますか?

保管してますよね?

ますよね?!?!

 

先に会社勤めの方から解説します。 

個人事業主など確定申告をする人はこちらをご覧ください。

 

co-cobachi.hatenablog.com

 

 

はい!と会社員は年末調整の頃に、会社から控除申請の書類を渡されます。

その中に給与所得者の保険料控除申告書があるはずです。

ちなみに、年末調整手続きが電子化されている会社の場合は保険会社等から控除証明書等を電子データで受領したのち、国税庁ホームページ等からダウンロードした年末調整控除申告書作成用ソフトウェアに、受領した電子データをインポート(自動入力、控除額の自動計算)して年末調整申告書の電子データを作成して会社に提供することになりますが、ここでは紙の申告書について説明しますね。

 

下記の図を見てください。

大きく7ブロックに分けました。このブロックごとに解説していきます。

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 ブロック

これは判りやすいですよね?通常は会社の事務担当の方で会社名や所在地までは記入するので、本人は名前と住所とハンコをヨロシク!と言われるやつですね。

給与支払者と勤め先が違う出向中の方はちょっとだけ気を付けて、あれ?と思ったら担当者に確かめましょう。

ブロック

大きく分けると控除を申告する保険種類は3つ。グリーン枠で囲んでますが3段に記入欄が分かれています。

自分の払っている保険料は『一般生命保険』か?『介護医療保険か?個人年金保険か?

保管してあった保険料控除証明書を確認してみましょう。

 

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ここで加入している保険の情報を記入します。

申告書と証明書をよお〜く照らし合わせてみると、申告書のどの欄に書けば良いのか分かるようになっています。

 

控除枠ごとに、保険会社名(正式社名でなく略称でも大丈夫です)と契約者と受取人の氏名をそれぞれの控除枠に分けて記入します。この時、受取人についてだけ記載が無いのでそこについては保険証券を確認してください。

家族の保険でも生計を一緒にたてていて保険料を払っているのが自分なら一緒に申告できます。

 

そして保険の加入した年が平成24年以前か以降かで、新制度と旧制度に分かれています。

証明書を確認して、新・旧のどちらかをマルで囲みます。

(介護医療保険料の控除枠は24年以降に新設された枠なので旧制度の利用はありません。)

ひとつの保険に生命保険と医療保険が合わさった保険商品もあります。その場合でも条件を満たすものについては証明書に申告額が分割されて記載されています。

 

保険に入った時期や加入内容によって、控除対象とならない保険商品や特約もあります。

そのため、申告額が支払った保険料より少ない場合もあります。

 

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枠ごとに控除額を計算して記入します。算数が苦手な母さんは毎年ここで嫌になります。

でも落ち着いてよく見てみましょう。

用紙の下段ブロックに控除額の計算のやり方が解説されています。

同じ内容が書かれていることと思いますが下記の表も参考にしてください。

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年間の保険料がどれくらいか?によって控除できる金額は変わります。その計算を難しく思う人もいますが、順番に記入することで最終的に計算式に当てはめて計算できるようになっているんです。

または生保各社のHPにも計算ツールが用意されていますのでそれを利用しても良いでしょう。

 

3つの控除枠それぞれ、自分や家族の保険の該当欄を埋めましたか?

それぞれの計算が出来ていたら最後に3枠の合計額を記入しましょう

それがあなたの生命保険料控除額です。

 

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他にも保険や共済など対象となるものの保険に加入している場合も控除申告が出来ます。

 

地震保険は支払った保険料のうち上限5万円まで控除できます。

生命保険料控除と同様に、届いているはずの控除証明書を参考にしながら記入しましょう。

建物だけではなく家財に対しての地震保険も対象となります。

 

自身の社会保険料(健康保険料や厚生年金、国民年金)は会社が毎月の給与の中で計算済みですが、もし家族のために支払った社会保険料(子供の国民年金など)がある人はそれを記入します。

 

そして 小規模企業共済等掛金

会社で共済加入していたり年金を積み立てていたりする人も多いでしょう。その支払いが給与天引きならここへの記入は不要ですが、iDeCoなど掛け金を個人で支払っている人は掛金控除証明書が届きますからそれを見ながら記入しましょう。

 

社会保険料と対象となる共済などの掛け金の支払いについては全額が控除できます

 

会社員ブラボー!と母さんが羨ましくなるところなんですよ。

大切にしましょう。

 

詳細についてはこちらでご確認ください

年末調整がよくわかるページ|国税庁

https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1140.htm

手順3 所得から差し引かれる金額(所得控除)を計算する|国税庁

No.1130 社会保険料控除|国税庁

年末調整手続の電子化に向けた取組について(令和2年分以降)|国税庁

確定申告ノススメ こまごま準備編

 

  • 確定申告のためにまずやるべき事は何でしょう?
 
まずは帳簿をつけること!
               f:id:co_cobachi:20201011180518j:plain
 
確定申告には青色申告と白色申告があります。
これは主に帳簿をどうやって付けておくか、で青色が向いているか?白色で申告するか?が決まります。
 
白色申告は比較的かんたんな帳簿で良いので母さんは毎年これで申告しています。
かんたんというのは、同じ日に購入したものは細かな仕訳は必要無く合計で記入して良い、とか、帳簿の種類も青色申告だと必要とされる現金出納帳が白色だと必要無かったり、という意味あいです。せめて自分以外の人が見た場合にある程度の収入と経費支出とが判るくらいのものは作成しましょう。
ノートでも小遣い帳でもスマホのメモ機能でも何でも良いですから、仕事で買ったものと金額を日付ごとに記入しておくことを習慣にしてください。他にも最近はアプリでもクラウドサービスでも会計業務が可能になりました。自分に合ったやり方で帳簿作成をしておきましょう
 

こちらに帳簿作成について詳しくまとめたので参考にしてください↓ 

co-cobachi.hatenablog.com

 

 
帳簿をつける時間が取れない人や誰かに相談しながらやりたい人は、費用はかかりますが税理士さんに頼んだり会計委託業者のようなプロに頼んでしまいましょう。
帳簿も任せれるならプロの勧めに応じて青色申告でも良いでしょう
(※ただし青色申告(現金主義)をするならその年の3月15日までに、税務署に[所得税青色申告兼現金主義用の所得計算による旨の届出書]を提出が必要なので気をつけましょう。)
税理士さんにお願いすると決めた人は、これから話す確定申告の準備については税理士さんがやってくれます。
きっと都度、税理士さんが「あの書類は届きましたか?」「この月の領収書は?」などと確認してくれますからきちんと対応しましょう。
 
プロに任せる予算は無いという人も当然いるでしょう。
とは言え、区役所や税務署で開かれる相談会や説明会に行くと“申告するなら青色で!”という幟が立っていたり、税理士さんが青色申告してますか?とか話しかけてきたりして、とにかく青色じゃないとダメなのでは?プロに頼まないと税務署からひどい目にあうのでは?と怖がるもいますが、税理士さんや商工会議所にとっては青色申告する人のほうが会費や委託料を払ってくれるから都合が良い、というだけかと思います。(青色申告が必要なのに出来ない方の為に声をかけてくれている側面も勿論ありますが。)そして税務署も法律を犯さない限りそんなに怖いところではありません。問い合わせればたいてい優しく教えてくれます。
青色申告のほうが控除枠があって得な部分もあるので、青色申告をしたい!という人を止めるつもりはありませんが、こじんまりやっている個人事業主なら無理して難しい帳簿作成をしてヘトヘトになるよりも白色で十分です。白色の確定申告ならプロの力を借りずとも出来ます。
母さんは毎年、自分と夫のぶんまで帳簿から書類の準備から全て自分でやっています
そんな母さんの経験上だけですが、白色だから困ったということはこれまでにありません。
これからお話しするやり方も主に白色申告のつもりでのものです。
 
 
 
 
青色申告でも白色申告でも帳簿が用意できたらとにかく
帳簿と一緒に必要な書類を保管しておくこと!
 
個人事業主の場合、帳簿は7年間の保管が必要とされています。
その帳簿をつける為に使用した領収書についても青色申告7年間(赤字申告の年は10年間)、白色申告は5年間の保管が必要です。
法人の場合は項目ごとに更に細かく保管期間が定められてます。
 
そして領収書以外にも確定申告のために必要な書類があります
 
確定申告書は様式にAとBがあり、所得の種類によってどちらを使うかが決まります。
会社員や年金所得者、一時所得者だけの人はどちらでも構いません。
個人事業主はじめ事業所得がある人はB様式となります。母さんもB様式です。
試しに該当する申告書を国税庁HPからダウンロードしてみましょう
 
記入する欄によってそれぞれに提出が必要な書類があります
必要書類には、国税庁HPからダウンロードして記入するものと、銀行や会社・学校から確定申告を迎えるまでに手元に届くはずのものがあります。届いたら失くさないようにしましょう見つからない時は早めに発行を頼みましょう。
(※e-Taxを利用する事で提出が不要となる書類もあります)
 
次に必要書類をまとめたので参考にしてください。
用紙を見ながら自分が記入する欄とその必要書類を確認してみましょう
 
①収入に関する書類
 
[事業・不動産・配当]
白色申告…収支内訳書
※税務署、国税庁HPからダウンロードして使用

確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書等|国税庁

※雇用主が発行してくれる支払調書については提出の義務付けはありませんが、正確な記入をするために必要です。
 
[配当]
支払通知書
特定口座の年間取引報告書
 
[給与]
給与所得者の源泉徴収票※原本
 
[雑・公的年金等]
 
②控除に関する書類
 
災害に関連した支出、盗難横領による損害を原状回復するための支出などの領収書
 
※2017年から医療費や通院費用の領収書の添付は不要になりましたが5年間の保存が義務付けられています
 
社会保険料控除]
国民年金保険料控除証明書
社会保険料控除証明書
 
[小規模企業共済制等掛金控除]
小規模企業共済掛金の払込証明書など支払った掛金額の証明書
 
[生命保険料控除]
生命保険料控除証明書
 
地震保険料控除]
地震保険料控除証明書
 
[寄附金控除]
寄付金の受領証
 
[勤労学生控除]
証明書※学校や訓練先法人に発行依頼
 
③税金の計算
 
政党等寄附金控除額の計算明細書

 

選挙管理委員会などの確認印が押印された税額控除の為の書類
 
国税額控除に関する明細書、外国所得税を課税されたことを証明する書類
 
 
その他の税金の計算に関連する項目については必要書類の条件がより細かく定められているので該当するウェブページを確認しましょう。
[(特定増改築等)住宅借入金等特別控除]

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/pdf/031.pdf

公益社団法人等寄附金特別控除]
 
 
…などなど。。
細かい項目が多くて嫌になっちゃう?わかります!
でも、実際に自分が申告する部分はごく一部分です。
関係ない項目は空欄のまま提出しますから、自分が該当している項目に関してだけ解っていれば十分です。
 
 
その他の準備
身分証コピー、マイナンバーがわかるもののコピー、の提出が必要な場合があります。
それと、捺印欄もあるのでハンコが必要です。
税金還付がある人は口座情報を記載する欄もありますから通帳を用意しましょう。
 
 
 
 
さあ、ここまで準備が出来たなら、いよいよ
  記入します!! 
 
帳簿を見ながら項目ごとの集計を済ませて、確定申告書の該当項目にその数字を転記、説明に沿って計算して記入する、といった作業になります。控除についてもその証明書を見ながら記入していきます。
 
確定申告書は国税庁ホームページからダウンロード印刷、または確定申告書は毎年その時期が来ると市町村の窓口でも入手可能です。
または国税庁ウェブサイト内の確定申告書作成コーナーは記入すると自動計算もしてくれて便利です。
他に、市販の確定申告ソフトで作成することも出来ます。帳簿付けをこのソフトでやっておけば、簡単な操作で確定申告用の書類を仕上げることが可能です。
 
母さんは国税庁HPで申告書を作成した後に印刷したものを添付書類などと一緒に提出しています。ちょっと使いづらい部分もありますが、年ごとに税制が変化しているので本家本元のHPが安心だと勝手に思っているからです。
今年からスマホも使えるとのことですから、どんどん簡単になっていく!といいですね。
 
 
確定申告は個人事業主には必須の年間行事ですが、いっぺんに全て必要なものを揃えることは大変難しいと思います。
毎日、働きながら少しずつ帳簿をつけたり必要書類を整理したりしておくことが最重要です。
申告のやり方については、自分にはどんな方法が合っているか?
考えながら、やれる事から始めておきましょう
 
めんどくさーい禁句とします!!!
 
詳しくはこちらを見てください。