こばち母さん知恵袋

映像業界のすみっこで働く“おせっかい母さん”がそっと教えたいアレやコレ

『好きになる』から始めてみよう


「私、この仕事、続けていてもいいのかな?」

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働いていると時折、そんな悩みにぶつかります。

たいていの場合は何か失敗してしまったり周囲の人と軋轢が生じたりした時に、ふと、そんなふうに思うのですが、疲れていたり嫌なことが重なったりすると気持ちも落ち込んでしまい、その悩みを振り切ることがなかなか出来なくなるものです。

 

才能が無いから

賃金が安いから

あの人とは一緒にやれないから

とにかく休みたい

なんかダルい

 

いろんなマイナスイメージが頭のなかでぐるぐる回る・・・・・

これは実は誰しもが経験する事です。

 

あの才能溢れた人はそんな経験は無いんじゃ?

いいえ、若い時だったり出世した後だったり、その時期に個人差はあっても、必ず皆んなが経験するはずなんです。

違いがあるとしたら、その悩ましい時期をどうやって乗り越えているのか?という部分です。

 

中には、これを乗り越えるのがどうも苦手な人もいます。私もそうです。

気にし始めると何日間も、長いと何ヶ月間もウジウジもやもや。

 

そのマイナスぐるぐるウジウジもやもやスパイラルからどうやって抜け出るのか?

 

母さんが気付いたちょっとしたヒントについてお話ししましょう。

 

 

知り合いに元野球少年が居ます。

元なのであって今はオジサンなので野球オジサンと呼ぶべきか?ともあれ彼はオジサンとなった現在でも当然野球を愛していて、同じ野球部に所属していたというだけの仲間との関係や、単に年齢だけの先輩後輩といった上下関係をものすごく大切にしています。

高校時代にお世話になった恩師の為ならば「黒いカラスも白と言える!」と宣言したり、反対に後輩ともなると「俺の言うことならなんだって聞くさ!」と下僕のように扱ったり。

もしかすると、熱血漢過ぎて自分には無理だな、と思われてしまうタイプかもしれませんね。

それはそれで良いのです。

 

私も元来オタ気質で、家でゴロゴロとテレビを観たり漫画を読んだりするばかりの生活をして育ったので、運動部出身者特有とも言えるその真っ正直な感覚は新鮮で、よく

いや理解出来ないですよww」

といじりつつ、驚きと時には尊敬の気持ちが湧いて来ることがしばしばです。

 

ある日その熱血野球オジサンと、友人の資格試験が上手くいかない、という話になりました。

「あいつ試験落ちそうだと思うならさぁ、愚痴ってないでもっと頑張れよ、て思っちゃうよ」と彼らしく熱血の弁。湯気が見えるようです。

しかし私の目には、その友人はボヤきながらも食事の合間にテキストを開いたりして、既に“頑張って”いるように映りました。

「頑張っても達成出来ない場合だってあるんだから、そんなに責めないであげて」

擁護する私を見て彼はショックを受けた様子で言い放ちました。

 

「いやいや本気でやれば達成出来るはずだよ!」

「頑張っても達成出来ないならもっと頑張ろう!って思うべきでしょ?!」

 

出た出た、こうゆうセリフ、マジ嫌になる・・・・・

 

少し前まで営業の世界に身を置いていた私にとって、このもっと頑張れ”とか“思い”とかいう言葉は理解不能な、呪いめいた重しでした。

成績不振の私を叱責する上長は必ずと言って良いほど、売れない理由は私自身の“頑張り”“やる気”が足りないのだと説いてきました。

もっと情熱を持って臨めば商品は売れる!と信じて疑わない様子でした。

 

でも私には正直ちんぷんかんぷん。

売れなかった理由は交渉ひとつひとつに細かく存在しています。金額で折り合いがつかなかったり、契約に至るまでの時間が足りなかったり、そもそも商品が客の希望に沿ってなかったり。

もちろん私の手際の悪さや伝え方が上手くいかなかった部分もあるでしょうがそれだけではなく、物事には常に様々な要因があると感じていました。

なのに上長は何故こうも“情熱”を重要視してるのか??

その頃の私は“頑張れば打開出来る”ようには全く感じていませんでした。十分に頑張っているつもりだったし、それ以上頑張るには時間と体力と収入が全然足りてない、という思いが強くありました。

そう、マイナスぐるぐるスパイラル真っ只中でした。

 

 

数年間のその営業職での経験のせいで、すっかり熱血嫌いとなった私は当然その野球オジサンの言葉にドン引きしてしまいました。そして何とかして彼を言い負かしたくて、彼が愛している野球に例えてみたのです。

 

野球だって頑張れば上手くなるわけじゃないでしょう?

 

しかし、さすがは野球オジサン。当然という顔で言ってのけました。

「だからもっと頑張るんだよ!毎日頑張り続けるのさ!」

 

へーえ・・・・

きっと私の表情はしらじらと呆れていたことだろうと思います。

運動音痴のわたしには到底理解出来ないのですが、彼は全く疑問も持たず毎日クタクタになるまで頑張って、何かあっても落ち込むどころか更に意欲を燃やして練習に打ち込む事が出来たのだそうです。

 

そして彼は揚々と胸を張って言葉を続けました。

 

「だって俺、野球が好きだから」

 

とどめの一言でした。

文化系オタおばさんノックアウト。

 

そして急激に腑に落ちました。

そうか、好きなことなら寝食も忘れて収益も関係無く打ち込める。

運動会系も文化系もその部分においては一緒です。私も若かりし頃はバイト代を注ぎ込んで画材を購入し、徹夜までして決して儲けなど出ないペラペラの同人誌製作にうつつをぬかしてたっけ。。(なんて恥ずかしい私の青春時代!!)

彼も甲子園に行けたわけでもプロ野球選手になったわけでもないのに、野球人生に悔いは無く後輩たちの育成まで心配して、野球仲間との熱い付き合いを何よりも大切にし続けている。

この持続力は熱血漢だからとか運動部出身だからとかを超越しています。

 

つまるところ、営業時代の私に必要だったのは、仕事を頑張ることより先に

「好きになること」だったのでしょう。

好きになっていれば“もっと頑張る”も出来たのかもしれません。

 

 

さてさて、仕事で必要にせまられて無理に試験を受けるよりなかった友人は、その試験には2度落ちたものの3度目でちゃんと合格しました。

この辺り、好きじゃなくても頑張ればどうにかなるという見本でもありますね。

私も営業の仕事については全く好きになどなれず、心身共にくたびれ擦り切れて辞めてしまいましたが、この仕事経験は私の今にしっかり役立っています。

 

これまで歩んできた道のりに回り道はあっても無駄な道は無い

私の信条です。

 

でもどうせなら、これから先、と言ってもそれほど先が長くもないオバチャンだけれど、何か新しく挑戦する必要があって、でもそれがあまり得意な分野ではなかった時、

まずはわずかでも「好きになれるところ」を見つけてみよう

そうしたら、才能が無くても不器用でも、その“好き”の為に頑張れるかもしれない…

今の私は、そんなふうに思っています。

 

 

あなたがもしも今の仕事についてマイナスぐるぐるに脳を乗っ取られそうになったら、その仕事の「好きなところ」または「好きになれそうなところ」でもいいから、他人の評価や収益とは関係ない部分で、自分を高めてくれたり楽しませる部分がその仕事の中にあるか?を探してみましょう。

好きなところが見つかったら、周囲の人がどう評価するかなんて気にする必要はありません。

その「好き」を持続できるように頑張ってみてください。

どうしても好きな部分が見つからない人は「他に好きな事が見つかりそうな仕事があるのか?」も考えて良いんですよ。

心がへし折られてまで働くことはありません。前を向くことだけを忘れなければ、これまで歩んだ道は次の道にちゃんと繋がっていますから、安心して一休みしましょう。

 

 

どんなあなたでも、母さんは応援しています。

そこはもう、とてつもない大声張り上げて応援します。

それくらいの熱血は母さんも持っているんです。

 

どうか一人で悩まないでくださいね。

私がかなり追い詰められていた時期に救いの光をくれたラジオ番組を紹介しておきます。

https://www.tfm.co.jp/sky/

私はスマホのアプリで聴いています。

言っときますけど何処からも頼まれてないしお金も貰ってませんよ笑。